失敗しない!杖・歩行器の選び方

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こんにちは、セワシです

現役の作業療法士(リハビリ専門職)が生活をラクにする・情報を発信しています。

今回は最近歩きにくいけど、どうすればいいかわからないといった方に

お体に合った、杖や歩行器の選び方をお伝えしていきます!

歩行補助具の種類

歩行補助具とは、何らかの影響で歩行に障害を持った方へ

歩行を可能にする福祉用具の一種です。

①杖(T字、一本杖)
②4点杖
③固定型歩行器
④車輪付き歩行器
⑤サークル型歩行器
⑥シルバーカー

これだけではないですが、一般的に使われるのはこの辺りになるかな思います。

それぞれのメリット・デメリットを説明していきます!

歩行補助具のメリット・デメリット

T字杖

 メリット :ホームセンターなどで売っている為、購入しやすいです。
        また、種類も豊富なので自分の好きなものを選ぶ事ができます。
        バランス機能が大きく低下していない方はこれで十分です。

 デメリットバランス機能が大きく低下している・体力が低下している方には不向きです。
        「バランスなんてどうやって判断すればいいの?」と疑問に思いますよね。
         リハビリでは、10m歩行、BBS、片脚立位などで確認しますが
         簡単なのは開眼片足立位テストTime Up&Go test(TUG)です。
   
    開眼片脚立位→目を開けて片足で何秒立てるかを確認します。
           日本整形外科学会では20秒以下だと転倒リスクがあると評価されます。
    
    Time Up&Go test→椅子に座った状態から立ち上がり、3mを心地よいスピードで
              歩き折り返して座るまでの時間を計測します。
              こちらも日本整形外科学会では12秒より時間が掛かってしまうと
              転倒リスクありと評価されます。

4点杖

 メリット  :4点杖のメリットは、T字杖と比べると高い安定性が確保されます。
         また、杖自身で自立するので置き場所に困りません。
         こちらも柄が色々あるので、好きなものを選ぶ事ができます。
        (作業療法士としては好きなものを選べる点も重視したいです💦)


デメリット :T字杖に比べて重量が重く少し取り扱いにくく感じるかもしれません。
         また、地面との設置面が4点なので凸凹の道や段差などでは逆にバランスが
         取りにくくなっていまします。

         作業療法士として、患者様のご自宅へ訪問させていただく時は屋内での
         4点杖はあまりお勧めしていません。理由は絨毯や敷居などに斜めに
         杖をついてしまうと転倒リスクがあるからです。

固定型歩行器

 メリット :固定型歩行器またはピックアップ型歩行器とも呼びます。4点杖よりもさらに安定
       性が確保されます。腕の筋力は保たれているが足の筋力が弱い・足が痛いなどの方
       にオススメな歩行補助具になります!大抵の固定型歩行器は折りたたむ事ができる
       ので収納には便利です。

 デメリット:固定型歩行器は両手で持ち上げて進む歩行器になります。その為、両腕の筋力や体
       を支えられる体幹の筋力
が必要になります。また、両手で持ち上げながら進むので
       速度はゆっくりになります。
       4点杖と同様に地面との設置面が4点あるので、凸凹な道や段差の昇降などには不向
       きです。その為、屋外や階段等ではオススメしません。

車輪付き歩行器

メリット :固定型歩行器に似ていますが、タイヤが4輪または前に2輪ついているのが特徴で
       す。こちらの歩行器は固定型歩行器と同様に安定性においては十分確保できます。
       タイヤが付いているので持ち上げる必要はなく速度は比較的速く、腕の筋力がなく        とも進む事ができます!

 デメリット:車輪付き歩行器は腕の力がない方にはオススメですが、足・体幹の力がないと使う
       ことができません。
また、固定型歩行器と同様に凸凹や段差などには弱い歩行器
       なと思います。比較的整地された道やフラットな屋内などでは安定して歩くことが
       できます。

サークル型歩行器

 メリット :厳密にはこちらは歩行車と言います。一般家庭で使っている方は経験上少ない印象
       ですが、病院では比較的目にする歩行器です。
       サークル型歩行器は、手や足腰が弱い方にオススメです!また、関節リウマチやそ
       の他の理由で手で握ることができない方は前腕で体を支持できるので安定して歩行
       することができます。固定型歩行器や車輪付き歩行器での歩行が難しいと感じる方
       はサークル型歩行器での歩行をオススメします!

 デメリット:タイヤが小さい為、凸凹道などの不整地ではお勧めできません。
       また、これまでの歩行器と比較しサイズが大きいので取り扱いの難しさや置き場所
       には考慮が必要になります。
       この歩行器で作業療法士として注意をしてほしい事があります。サークル型歩行器
       は体重を支えてくれるのでとっても楽です。本来歩ける能力があるのに、サークル
       型歩行器を使ってしまうと筋力や体力の低下に繋がってしまう
為、楽だからの理由
       だけでは使わない方が良いかと思います。

シルバーカー

 メリット :シルバーカーはよく街中で見かけるのではないでしょうか?
       一番のメリットは物を運べる事です。買い物をしに行くやご近所さんの家に出かけ
       るなど杖で物を持って歩行するのが難しい方にはオススメです!
       また、カゴの上に座れるタイプが多いので体力面が心配な方は休憩することができ
       ます。自宅の中よりも屋外での使用に適している歩行補助具です!
       シルバーカーは色々な種類・柄があるので、選ぶ物楽しいです!

 デメリット:ある程度歩行が安定している方は使用することができますが、手や足の筋力が弱い
       方にはオススメしません。
また、どうしても前傾姿勢になってしまうでの、円背を
       助長してしまったり、体幹の筋力が弱くなってしまったりする傾向
にあります。
       個人的には足腰が弱くなったと感じたら、固定型歩行や車輪付き歩行器を使う事
       をオススメしています。

早見表

メリットデメリット
T字杖○購入しやすい
○歩行が少し心配な方
○柄が豊富
△バランスが低下している
△足の筋力が極端に弱い
△安定性は低い
4点杖○T字杖より高い安定性
○自立し置き場所に困らない○柄が豊富
△T字杖に比べると重たい
△凸凹道や段差には不向き
△自宅内では注意が必要
固定型歩行器○安定性は抜群
○足の筋力が弱い方
○折りたたむことができる
△腕・体幹の筋力が必要
△速度がゆっくりになる
△凸凹道や段差には不向き
車輪付き歩行器○安定性は抜群
○腕の力がなくても使える
○速度は比較的速い
△足・体幹の筋力が必要
△凸凹道や段差には不向き
サークル型歩行器○手や足腰が弱い方
○リウマチなどで握れない方○体重を大幅に支えてくれる
△取り扱いがしにくい
△置き場所に困る
△体力低下を招く可能性
シルバーカー○体力が少ない方
○物を持ち運ぶ機会が多い方○屋外歩行が多い方
△ある程度の手足の力が必要△前傾姿勢になり円背を助長△屋内には不向き

まとめ

いかがでしたでしょうか?

色々な種類の歩行補助具がありますが、その人に合った歩行補助具があります。

僕が作業療法士をしていて思うことは、歩行が難しい人は生活範囲を狭めればいいと

歩けない=生活範囲の狭小

になってしまいがちだなと思います。

誰しもが外に出て友達と話したい、自宅の中だけは自由に歩きたいと思うはずです。

僕が歩けなくなってもそう思います...。

外気人に触れることで体力や認知機能の維持に繋がると言う研究もあります。

その方の可能性を潰さないためにも、体に適した歩行補助具を選ぶことが重要だと思います。

ぜひ、生活の知恵として活用していただければと思います!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

またの投稿をお楽しみに!!

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